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アスベスト(石綿)関連疾患 その1

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石綿肺

肺の線維化が進行していき、酸素-炭酸ガスの交換を行う機能が損なわれるため、呼吸困難が生じます。肺の線維化を起こすものとしては石綿以外の鉱物性粉じんをはじめ多くの原因があげられますが、石綿のばく露によっておきた肺線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。

石綿ばく露との関連通常、石綿を大量に吸入ばく露した労働者に起こり、石綿ばく露開始から10年以上経過して石綿肺の所見が現れます。つまり、石綿肺は高濃度の石綿ばく露の医学的所見の一つともいえます。累積石綿ばく露量が25繊維/ml×年以上ないと石綿肺は発症しないと言われています。症状・経過初期症状として労作時の息切れ、咳、痰が多くみられます。石綿ばく露を中止した後も症状が徐々に進展して呼吸機能の低下も徐々に進み、日常生活に障害をもたらし、在宅酸素療法が必要となります。
また、肺がん、中皮腫、気胸、胸水、気管支炎などを合併することもあるため、注意が必要です。診断胸部エックス線では、両側下肺野(肺の下部)の線状影を主とする不整形陰影が見られます。通常、びまん性胸膜肥厚あるいは胸膜プラークを伴います。石綿肺の診断には胸部のCT検査が有用です。診断には高濃度の石綿ばく露歴の確認が重要です。胸膜プラークの存在は石綿ばく露の医学的所見ですが、必ずしも高濃度ばく露の証明とはなりません。画像だけでは、進展した石綿肺と特発性間質性肺炎等との鑑別は多くの場合、不可能です。ただ、比較的軽い石綿肺が急激に悪化することはなく、急性増悪型の間質性肺炎との鑑別には経過を追える画像の比較が参考になる場合があります。それ以外に、気管支肺胞洗浄液中の石綿小体(1ml 中5 本以上)や肺組織切片中の石綿小体の存在も参考になります。治療咳、痰に対する鎮咳剤や去痰剤による薬物療法、慢性呼吸不全に対する在宅酸素療法などの対症療法を行います。